「嫌じゃないですか?俺、一応年下ですし…」
なんだ、そんなことを気にしているのか。
松崎くんは私が年上であることを前提に置いて私と話しているらしい。
そういうところはキチンとしているのだ。
私はフフッと笑って、松崎くんに念を押した。
「嫌じゃないよ。私だっていつの間にか敬語使わなくなっちゃったじゃない?だから気にしないでほしい」
「…分かりました」
彼は渋々ながらうなずき、ふと思い出したように顔を上げた。
「でも、今から急にというのは難しいので、次回からでもいいですか?」
この期に及んでさらに生真面目な発言だと思ってしまった。
「お好きなタイミングでどうぞ」
彼の決意は変わらなそうなので、私も了承することにした。