君はあの時、俺ではなく自分を責めていたね。


それは違うよ。


全部、俺が悪いんだ。


君以外の誰かを本気で好きになってしまった俺が悪いんだよ。


いっそのこと俺を責めてくれていたなら、少しは心が軽くなったかもしれない。


君のことだから、いまだに自分を責めているんじゃないかと心配になる。


もう俺には心配する資格なんてないのに。


君の涙が、忘れられない。


忘れられないけれど、俺は君を救い出すことはできない。


ごめん。


これ以外の言葉が思い浮かばない。


最低な男だと恨んでください。




俺は君を幸せにすることはできなかった。
だから、必ず誰か違う人に幸せにしてもらってほしい。


都合のいい考えで申し訳ない気持ちでいっぱいだ。






遥、ありがとう。


こんな俺と5年も付き合ってくれて、本当にありがとう。


だけど俺はたしかに、君のことが好きだった。
愛していました。





もう二度と部屋に行くことはないから、鍵を返します。




ごめん。


さようなら。







和仁