暖かい風の吹く春の空のした。
・・・・・
アタイにしては真面目すぎたな。

アタイ、谷口美空は今年で中学2年生。
って言ってもろくに授業なんて受けねーけど。

校則にも関わらず、髪の毛下ろして金髪のメッシュ。
スカートの丈は短くて。でもその下にはジャージ。

こんなアタイに誰1人近づいては来ない。
いや、むしろ来て欲しくねーし。
ダチとかいらねーし。

今頃担任の紹介でもしてんじゃねーのかな…
あ、そーいえば転校生来るって言ってたっけ?

まぁ…どーせアタイには近づかないと思うけど。
むしろそっちのほうが逆に嬉しいし。

あぁ…眠てーな。

「あの…」

!?!?

「だっ、誰だ!?」
「あ、ごめんなさいっ!脅かすつもりはなかったんだけど…」

アタイの真正面に現れた少女…

目はパッチリでまつげが長くて、
髪の毛さらさら。清楚に2つ結びしてある。

・・・・・・

アタイとは正反対のヤツじゃねーかよ。
こーゆーヤツと付き合えそうにねーんだけどな…

「確か私と同じクラスじゃない?」
「は…?」

こんなヤツ見たこともねーよ。
教室とかめったに行かねーし。

「私、今日転校してきた都築疏羅。よろしくね!」
「あぁ?…なんでよろしくされなきゃいけねーんだよ。」

めんどくせーな…

「クラスのみんなから友達居ないって聞いたから…」
「だからって余計なお世話。」
「でも!私も友達居ないから!!」
「お前なんて今からいくらでも作れるだろーが!」

ちょっとキツめに言い過ぎたか?
でもこんぐらい言っとかねーと諦めねぇだろ…

「でも…私あなたとお友達になりたい!」
「はぁ!?」
「ねぇ、名前教えて?」
「誰が教えるか。」

うぜぇ…
もう帰ろう。
こんなヤツに付き合ってるアタイがくだらない…

起き上がって歩き出すと…

「私、あなたと友達になれるまで諦めないから!!」

・・・・・

はぁ!?
ふざけんなよ…
着きまとわられるなんてゴメンだよ…。