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戦地を脱した五人は、函館から遠く離れた民家に匿いを求めた。
幸いにも主人は旧幕府贔屓で、快く迎え入れてくれた。
「いやあ~、間に合ってよかったぜホント。一時はどうなることかと思ったがなァ」
土方と和早の肩に腕を回しながら永倉がそう言えば。
「何言ってんですか。遅れたのは新八さんが腹痛起こしたからでしょ」
「そうそう。そのせいで正体バレそうになったし」
責めるような視線を送る二人に和早はくすりと笑うが。
「何笑ってんですか和早さん。知ってますか、あなたが一番たち悪いんですよ」
「え。ああ…はい、何となくわかってます」
沖田の言葉に、今度は苦笑った。