私は目の前のぶつかった相手を上から順に見た




無造作というより、多分セットしていないだろうっていう髪型





―こ、れは…ないな





そして、なんか似合ってないダサいメガネをかけていて





―うーん、これもなー





制服は今時珍しく、生徒の模範になっちゃうよってくらいちゃんと着ている





―まぁ、これはいんじゃない?私はないけどー





そして、なにより背が無駄に高い





―背の高さを評価して20点ってとこか





私はそう評価しながらも名前を思いだそうとしたんだけど、名前が全然出てこなかった。





―だって、話した記憶ないしっ





私が名前を思い出すためにすごく考えていると、私の悲鳴みたいな声が聞こえたのか




それとも、野次馬がたくさんいたから話が連鎖していったのか





「夏〜平気?」





と言いながら、先に行ったはずの美嘉と亜美が心配そうな顔をして




わざわざ、引き返してきてくれていた。





―それって、正直うれしいよね