「ふ〜ん、じゃあ俺がよく行く店のメモ書くからそこで買いなよ。
彼に似合いそうな服、たくさんあると思うから」
「えっ、ありがとうございます。てか、なんで教えてくれるんですか?」
私はその言葉に少し驚いて、思わず聞きかえしていた。
「なんでって言われてもねー
なんか面白そうだからかな?」
美容師さんは、また笑っていた。笑顔の多い人だなと私は思っていた。
「じゃあ、お言葉に甘えます」
「うん、どうぞどうぞ」
「篠崎ぃ〜」
奥から誰かを呼ぶ声が聞こえる
「あっ、先輩が呼んでるから、帰りまでに書いて渡すね」
そう言うと篠崎さんは、スタッフの人たち専用の裏にトレイをブラブラさせて行った。
なので、私はまた読みかけの雑誌を手に取り読み始めた。