無言が二人の間を作り続ける
それが耐えられなかくなった私は、私から声を発した。
「あんた、ピアノ弾けるの?」
「まぁ…多少は」
大河内は下を向いていた顔を上げ、私の顔を見ながら答えた。
―やっぱ、眼鏡がなぁ〜気になる
「すごく、うまいじゃん?」
私は壁によりかかり、鞄を下に置いた。
「まだまだ、なんですよね。僕なんか…」
そう言うと、大河内は暗い顔をして片肘を片手で押さえた格好で下を向いた。
―なんか、触れちゃいけなかったのかな?でも、眼鏡…
なので、それを察した優しい私は話を変えた。
それに、ずっと気になってることがあったから
「てか、あんたそのダサい眼鏡やめなよ」
私はもう我慢できなかったので、それをついに言ってしまった。