そんな事を考えながら、私は頑丈そうな門を開けて大河内宅の敷地内に入った。
―♪
すると、聞こえてくるピアノのすごく綺麗な旋律が
―うまっ、私より全然巧すぎだし
私は中学入る前まで、なぜかピアノをしていたんだけど
正直あんまりうまくないから、これと比べるのが失礼だよね。
―大河内のお姉さんあたりが弾いてるのかな?
と思いながらピアノの旋律を、目を瞑って聞き入っていたんだけど
私は大河内にプリントを届けに来たんだと、曲と曲の間に急に思いだし
玄関まで数歩歩いて、インターフォンを軽く押した。
―♪
もう太陽は完璧なオレンジ色になっていた。