教室から聞こえてくる聞き覚えのある、いや聞き飽きたんだけど、落ち着く二つの声




「遅いよ〜夏〜」





私が教室に入ると、二人揃ってその声でそう言ってきていた。





「ごめ〜ん、遅くなって
それに、なんか頼まれたし」





これのせいだよと私は、預かった茶色い封筒を顔の前に出した。





「なにそれ?」





亜美が不思議そうな顔をして、椅子から立ち上がり近づいてきた。




美嘉もそのあとを追って私の所へ





「さぁ〜なんでしょ」





私は適当に近くにあった机の上に、腰を下ろした。





「なんだろって、名前書いてあるじゃん」





美嘉はやっぱり鋭くて、机の上に置いた封筒のそれにすぐに気がついていた。





「大河内って、あの大河内?」





亜美はそれを読んで、私に聞き返してきた。