でも、ぶつかった相手が去るのをたまたま見た美嘉は
「あっ、大河内〜」と大きい声で引き止めた。
すると、彼は歩き出した足を止め私たちの方へ振り返った。
―あっ名前、大河内だったんだ〜
美嘉よく覚えてたね、すごいっ、尊敬だし
私は美嘉の大河内を呼ぶその言葉で、完璧に忘れていてずっと考えていた
同じクラスの大河内と言う名前を思いだせたので、独りスッキリしていた。
「なんですか?藤原さん」
近づいてきて発した大河内の声は、少しよわよわしく聞こえた。
「今度からちゃんと、気をつけなよ〜女の子が怪我でもしたら大変じゃん」
と私の事なんだけど、美嘉は自分のことの用に大河内に対して注意し始めていた。