「薫風、なんか変。急になんだよ〜!?」
薫風はなんか言いたそうに見える。
でも言おうとしない。
少しの間、黙って歩き続けた。
薫風とは、沈黙でも全然嫌な感じがしない。
むしろ心地よい感じ。
薫風はあたしにとって、本当の家族みたいな存在だから言いたい事は言ってほしい。
あたしは思い切って、話しを切り出した。
「薫風なんか言いたい事あんの??」
「はぁ!? 何急に…」
「何年の付き合いだと思ってんの!?薫風があたしになんか言いたい時の態度くらいわかるし!!」
薫風は、ははって小さく笑った。
そしてなんかを決意したのか、あたしの方を向いて話し始めた。