あたしが制服に着替え終わると、薫風が迎えに来た。

薫風は、かなりビックリした顔をしている。


「ひ、ひ、妃奈乃!!??どうしたんだよ!?」


「薫風…“ひ”が多いよ…そんな驚かなくても。」



薫風はあたしを見つめながら、唖然としている。


「あたしがやってやったの!!可愛いだろ〜♪」


「奏絵がやったの!?すげーなぁ。」



ドスッ…!!!


奏絵さんのスーパーキックが薫風に直撃した。


「奏絵ぢゃなぃでしょ!!奏絵さんでしょ!!!」


「そんぐらいで蹴る事ねーだろ!いってーなぁ。」



奏絵さんと薫風は、顔を合わせるといつもこう…
ケンカばっかり。


あたしは、そんな二人を無視して鏡の前に立った。



ゆるく巻いた髪、薄ピンクのアイシャドウ、口にぬられたグロス。


少しだけ大人っぽくなった自分に…

少しだけ自信が出てきて、今日という日を頑張ろうと改めて思い気合いを入れた。