「そこまで驚かなくてもいいのよ。朝一の講義が休講になったって話し」


「なんだぁ……」


と、胸を撫で下ろす。



「変な反応ね」


「別に……」


と机に頭をゴロンとつけた。



「眠い……このまま、次の講義まで、ここで寝よっかな」


「なによぅ。元気ないわねぇ。ダーリンと喧嘩でもしたの?」


「……慧人なんて、死んじゃえばいいのに」



杏奈が苦笑する。



「また夫婦喧嘩?」


「そんなんじゃないよ。別れたの」


「別れた?どーせ、犬も食わない喧嘩でしょ?」


「ううん。本格的なヤツ。もう、慧人は別の女の子と付き合ってるよ」


「え?……マジ?……」


と、サスガに声のトーンが変わる。



「私以外の、他の女の子とも付き合ってみたいんだってさ」



卓真が、前の席にどかっと座った。



「まー、彼女を目の前にして言うのもなんだが、俺はその気持ち分かるかも」



卓真と杏奈は付き合っている。


恋人同士ってヤツ。