「そうだよ。辛いだろ」




女が、俺と由果の顔を不振な顔つきで交互に見る。




「悪い、俺、今夜はコイツと寝るわ」


と、由果の腕を引いた。




女が発狂しそうな声で、騒ぎ出す。



「ちょっと、何それ!ありえないし!!」




めんどうなので、さっさと教室から出た。




でも、女は罵声を浴びせながら追いかけてくる。




中庭に到達した時、野次馬が囲み出した。




めんどくせーな。と、立ち止まる。






女同士で言い争い出した。




こんなのに付き合うつもりはない。




もう、学校を出ようと由果の腕を再び引こうとした時――――。




「待ってたら、慧人は戻ってきたの?」




美琴が――――いた。