由果の『理想の男』から抜け出したかった。




俺は、変だった。



変な俺を美琴に知られたくなくて。



あいつを傷つけない為にも、別れを切り出した。




こんな事になっても、大事な人だった。



勝手な話だが、美琴は他の人間とは次元が違う存在なんだ。





俺は、その後も、色々な女に手を出した。




セックスをしたら、直ぐに別れる――の繰り返し。




どの女と寝ても、由果の体が忘れられない。






由果とは、あの晩、一度きりで、その後、彼女から誘う事はなかった。





三日前から付き合うことになった女が、法学部の教室にまで来た。




俺は、わざと由果の目の前で女といちゃつく。




由果が、すーっと席を立った。




「これが、あなたの言う本当の恋愛なんですか?」