だから、本当は偉そうに言える立場じゃなくて。




美琴を大事にするなんて奇麗事を言いながら、楽な道にしか進んでいない自分に苛立っていた。





俺は由果を抱いた。





体の相性は良かった。




俺の名前を呼びながら、何度もイク由果を愛しいとさえ感じてしまった。




――そんな自分に腹が立った。






次の日、学校で会うと、あいつは平然としていて。




「今日も一緒に登校ですか?本当に仲が良いんですね」



と、笑顔で笑いやがった。





俺は、前からちょっかいを出してきていた長野亜衣に声を掛けた。




そいつは簡単に、乗ってきた。




わざと由果に見せ付けるように、ベタベタした。




その時の、あいつの不振そうな顔を見てホッとした。