とっとと帰ればいいのに、いつまでもコイツの部屋から出ようとしなかった。




由果が、俺の下半身に吸い付く。




「なに、やってんだよ!お前、処女なんだろ?」



「セックス教本でやり方は勉強しました。これで、あってますか?」


と真顔で聞かれる。




あってるとか、あってないとか。



そんなの関係ねーだろ。と頭の中で叫ぶ。




由果は間違えている。




こういうのは、誰とするとか、いつするとか、そういう問題なんじゃなくて……。





ああ、そうか。と、一人で納得した。




この女は恋愛っていうものをした事が無くて、分からないんだ――と。




だから、教科書通りにセックスすれば、処女を喪失したと満足するのだ。





「お前、本当に俺の事が好きなの?」



と、髪を引っ張って顔をはがした。