女の部屋とは思えないほど殺風景で、美琴の部屋しか知らない俺は、ちょっと衝撃的だった。




机とベッドと、小さなテーブル。



本棚には、書籍や参考書が詰まっていて。




それが、彼女らしさなのかもしれないと思った。




「すみません……何もおもてなしするものがありません」



「いや、俺、すぐ帰るし」



なぜか、由果は部屋の真ん中で正座している。




「すみません、私の為に送って頂いて……」



突然、土下座しだした。



これも酒のせいか?と彼女の行動に戸惑った。




「いや……別に……」





「迷惑ついでに、一つ、言ってもいいでしょうか?」



え?と嫌な予感がした。





「こんな機会、もう人生でないと思うのです」



顔を上げた由果は……泣いていた。