「文学部の女の子と出かけているみたいだったから、彼女はいいのかなーって」



……知らなかった。


あんな話し合いする前に、もう別の彼女が居たんじゃないか!




「それは二股ですね。ほんと、最低」


「石川君、モテるものね。まあ、あのルックスと性格じゃあ、彼女いてもOKくらい思う子も現れても仕方がないわね」



「福島さんって大人なんですね」



「そうでもないわよ。私だって、ただの石川ファンだし。こうやって話しかけているのも下心があるのよ。一体、二人はどうなってるんだろうって気になってたから」



……なるほど。


「でも勘違いしないでね。私は、あくまでも二人の関係が羨ましいだけで、私がその地位を欲しがっているワケじゃないし、幼馴染っていうのは自分の意思でなれるものじゃないから諦める以前の問題ね」



「ええっと、カッコイイ幼馴染がいて羨ましーって事ですか?」


「そそ。そういう事」


と福島さんがニッコリと笑顔を浮かべる。




「でも、もう二股じゃありませんから」


さすがの福島さんも「え?」という顔つきになる。



「別れたんです。ちゃんと話し合って」