「でも珍しいよね。福島さんて、いつもはこんなに飲まないのに」



「才女にも悩みがあんだろ。ま、俺達とは次元が違いそうだけどね」



壁に寄りかかって由果が寝てしまう。




「これ、どーする?」



「誰か、福島の家知ってる人いる?」



その場に居合わせた誰もが首を振る。




俺は、仕方なく福島を起こそうとした。



「おい。福島、起きろよ」



「うーん……」




「家まで送っていってやるよ」



そう言うと、他の女子が過剰に反応する。



「えー!ずるーい!私だって、酔ってるんだから送ってー」



「私も石川君に送られたいー!!」




めんどうなので、福島を担ぐ。




「おい、石川いいのか?」



千葉が、心配そうに俺を見上げる。