『俺のバイトしている店、場所分かる?』



「前に説明してもらったから、覚えてる」



『じゃあ、7時までに来てもらえるかな?お店の人には言っておくから、入り口で名前言って』




「うん、分かった」




莉玖がバイトをしているのは、オシャレなフレンチのレストランだ。



いつものカジュアルじゃなくて、ちょっとだけ大人の格好をしていく。




私なんかが気軽に入るお店じゃないので入り口で緊張したけど、お店の人が気がついて声をかけてきてくれた。




「島根美琴さまですか?」



きちっとしたボーイの格好をしている、若い店員さんだった。



「は……はい……」



「お待ちしておりました。どうぞ中へ」


と、店内に案内される。





緊張しながら店員さんの後についていくと、テーブルに通された。



「こちらへどうぞ」


と椅子を引かれる。