「それでも……それでも、俺は羨ましいと思ってたよ」



「莉玖?!」


と、杏奈が驚き顔で莉玖を見上げる。



「幼馴染が、そのまま結ばれるなんて素敵じゃないか。それに……美琴はスゴク可愛いしさ。俺なら、そんな勿体無い事しないケド」



「おい……どさくさに紛れて告ってね?!」


と卓真が茶化した。



「どさくさじゃないよ。俺、ずっと美琴の事が好きだったんだ。慧人がいたから諦めてたけど、別れたんなら堂々と付き合いを申し込むよ」



「ちょ、付き合いって、この子、別れたばっかだし……」


なぜか杏奈が焦っている。



「慧人なんて別れる前から他にも女いたんだから、別にいいじゃん」



「莉玖……」


突然の告白に、私は泣き止んでいた。



隣に座る、莉玖の童顔を見上げた。




「ねえ、美琴、俺と付き合おうよ。俺、頑張るよ」



衝撃――だった。



ずっと友達だと思ってたから。



莉玖が私の事を、そんな風に見ていたなんて知らなかった。