「――誉ちゃん?」


「っ。ごめんなさい…何?」


珍しく長い間黙りこくってしまった。


仁美君は心配したように眉を寄せ私を見ている。



「いや、誉ちゃん怖い顔して黙ってるから…俺何かしちゃったかな?」



そんな風に、いつも私を真っ直ぐ見つめてくれる。


だけど、




そこに愛は無い気がする。




きっと仁美くんは、誰にでも真っ直ぐ見つめる。



勿論、そこに愛が無かかろうと。






あの人は、写真の中に居た男は、違ったんだろうな。