「でさぁ、まさがさぁ~!」

「杏里のろけんな~。」

「まじヒドイんだって!うちに隠れて、元カノとメールしてたんだよ!?ありえなくない!?」

「まじ!?うちだったら即別れるね。」

呆れた顔で茜が杏里の頭を撫でた。杏里は他校の高校に通っている高田雅紀という人と付き合っている。中3の時から付き合っているらしく、もうすぐ3年になるのだ。

「てか夏、相変わらず弁当ちっさいねぇ。」

杏里の頭から手を離した茜は、夏の方に体を向けて頬杖をついた。


「夏、細いもんね。」

梨乃の羨ましそうな声に、夏は大きくため息をついた。


「違う違う。夏バテで食欲ないんだよねぇ。」

「夏が夏バテですか(笑)」

「てかまだ7月だよ~。夏バテとか早いって!」

ケラケラ笑われた夏はお弁当箱の蓋をしめて、まだ半分以上も残っているお弁当を鞄にいれた。

「え、もう食べないの?」

驚いたような顔で杏里が言った。

「うん。ああ~もうバテたわ~。」