『第46回、日本音楽人大賞、最優秀新人賞は枝崎ナツさんです!』


鳴り止まない拍手と、沸き立つフラッシュの嵐。

あたしは眩い光に目を細めて小さく微笑んだ。




ゆっくりと、しかし確実にキラキラ輝くステージにあがったあたしはマイクを持つてを持ち上げて深く頭を下げた。


『枝崎ナツさんで、「Last Song」です!』

大物司会者の活気ある声と同時に、聞き慣れた音楽が流れる。


この世の全てを吸い込むかのように、あたしは大きく息を吸った。