なんて今の言葉は全部受け売り。
桃が強引にあたしに教えたことだ。




でも、そんなことも結局むだ…





あたしの胸はきっと誰にも満たされない。
あたしの心は、もう…




下唇を小さく咬みながらポケットに手を入れ、あるモノをぎゅっと握った。




ねぇ?
どこにいるの?
あたしはもう、必要ないの?




何回そんなことを想っただろう?
1日百回?
そんなもんじゃ全然足りない。



1分前にも、1秒前にも想った…
何度も何度も…




毎日、どうしようもない気持ちだけがあたしを埋めていく。




そんな日々が辛い。
もの凄く…辛いんだ。





ふと、前を向くと門の前に桃が立っていた。




「杏!夕、どうだった?!」




進藤 杏(アン)
これがあたしの名前。