「優衣は本当に素直だね。感情が全部顔に出る」
「私は何も言ってません」

動揺を悟られない様に、努めて冷静な声で答えるけど、この人は私の性格も知っている


くすりと鼻で笑い

「優衣と付き合っていた時からずっと優花ちゃんに似てるとは思っていたけど、さっきお母さんを見て確信したよ。ーーそっくりだね優花ちゃんと君のお母さん」

私を試すように反応を見ながら言い放つ

その言葉に
グラリとーー
視界が歪んだ気がする

実際にはそんな事は起きてなく
私はしっかりと自分の足で立っているけれど
常務の口から出た言葉が衝撃的過ぎて頭が回らず反論の言葉が見つからない


そんな私を見て、目の前の常務は笑っていた


「随分と動揺してるね？優花ちゃんは確か、名字が違う御両親がいたはず…何か秘密があるのかな？」

「……」

「優衣、またね。色々調べて……連絡するよ」


そう言い残し常務は私に背を向けて歩き出す

ヒラヒラといつまでも手を振りながら