「紹介してくれるのは有り難いが、彼等は高原さんがモデルの写真に興味津々みたいだ。」



「私、ですか…」




後ろに見える報道陣。


レポーターの方は、確かに私と桜が写った写真の前に立っている。


別の取材陣は、ベランダで雪を眺める私の写真を見ているみたいだし。





困惑した表情の隼人さんを横目で確認しながら、編集長さんは笑顔を浮かべる。



「高原さん。」


「はい?」



「隼人はね、プロのモデル以外を何度も撮影したのは初めてなんだ。だから、彼等はああやって君の写真にばかり目がいってしまう。
君は隼人にとって特別な存在なんじゃないか?そう気になって仕方がないんだよ。」



「…特別な…」


その言葉に思わず反応してしまう。


無駄に心拍数の上がっていく私の横で、隼人さんは真剣な表情。



「編集長…僕は、必要なら紹介しても構わないと考えています。ただ…」



ただ…?

何だろう?



隼人さんを見ると、また困惑した表情に戻っていた。