少しして家の前まで来てくれた隼人さんの車に乗り込んだ。



「突然でごめんな?」


相変わらず甘い声で囁く様に言うから、私はドキドキして首を横に振る事しか出来ない。


そんなやられっぱなしの私を見て、やんわり微笑むと車を発進させた。




休日だから、道路はいつもより混雑している。



「隼人さん、何処に行くの?」


運転中の隼人さんの横顔を眺めながら問い掛けると、少し表情を曇らせた。



そうして渋滞で停車すると、ゆっくり私の方を向く。


隼人さんの顔はとても真剣で、思わず身構えてしまう。




「…姉貴から聞いた。」


ぽつりと落ちた言葉に、心臓が跳ねる。



「……え」


「ごめんな?本当なら優衣が知る前に俺から話すべきだったのに。」


ドクンドクンと、自分の鼓動がうるさくて、上手く頭が働かなくて。

ただ黙って隼人さんを見ていた。