「満タンや。」
瓶の口から溢れそうな程たくさんのシーグラスを幸谷君が翳した。
「ホントだ。
莉子ちゃんとかにお土産出来たよ。」
「クスッ。
ええね。」
「これでフォトフレームでも作ったら可愛いと思わない?」
紙粘土でフレームを囲って、そこにこのシーグラス埋め込んで、あ、色塗っても可愛いかも、なんて、考えてると、ホッペにふんわり柔らかい感触。
「俺の事だけ、考えてぇや。」
私の肩に腕を回した幸谷君が口を尖らせた。
「え///、あ、うん。」
「なあ、ちょっと、目閉じて、波の音聞いてみ?」
「波の音?」
「おー。
目ぇ閉じて聞いてみ?
すんげぇ気持ちええで?」