「これ、すごく綺麗…」





私は片方の手を幸谷君に繋がれたまましゃがんで、それを摘まんだ。

そして、目の前で翳すとそれは鈍く光を反射させる。





「ああ、シーグラスや。

そんなんいっぱいあんで?」






「ほんと?」






「ん、拾うか?」






「うん。」






どこからか見つけてきたジャムの空き瓶みたいなのを幸谷君が私に掲げて見せた。






「これいっぱいに拾うぞ。」






「うん、了解。」






一つ見付けるごとにびんの中カランと音を立てる。

白いのや、ブルー。薄いグリーン。

ランダムに重ねられた瓶の中のシーグラスは、まるで






「こんぺいとうみたいだね。」






そう呟いた私に幸谷君は口角を上げて「なんか愛子らしい発想やね。」と、優しく笑った。





蒼い海

蒼い空

全部が私を満たしてくれた夏。





幸谷君でいっぱいだった。