一緒に食べたお好み焼きは凄く美味しかった。

でも、食べるのが早い幸谷君に驚いたのと、食べることに緊張してる私は、なかなかお箸が進まなかった。





「腹減ってへん?」






「なんか…、胸いっぱいで…」





そう答えた私を肘を付いたまま見据えた幸谷君が「お前、可愛過ぎやわ…」って恥ずかしいことを呟いた。






「お前の分も食うてええ?」






「うん、食べて?」






「早よ食うて、行こう。」






「うん。」






ガツガツ食べる幸谷君がかっこいいと思った。







「あんま…、ジッと見やんといてくれる?

食いにくい…」







「ご///、めん。」







「や、ええねんけど、なんか照れる。」







二人して照れて俯いてしまう。

こんな恋が私の精一杯。







「晃司さんのお好み焼き美味しいね?」







「ばあちゃんの味やから。」







「幸谷君の?」







「ああ、そう。

今は、もう居らんけど。」







そう答えた幸谷君の少し寂しそうな顔に、胸がチクンっと痛みを覚えた。

これは甘くない痛み。






幸谷君の切なさが私の中に入ってくる。

幸谷君はどんな風に今まで過ごしてきたんだろう…と、思った。






「いっぱいの向日葵見せてね?」





「ん、任せろ。」






もう幸谷君に切なさは感じれない。






「楽しみ。」






「よし、行こうっか。」










向日葵…end