手を繋いだ。
繋いだ手を離せなかった。
改札を抜ける時も、ずっと、手を離せなかった。
「幸谷君…、今日は、ありがと…。」
「明日も、迎えに行くから、待ってて。」
「…うん。」
ふと見上げた時視界に映る幸谷君に、また、胸が高鳴った。
絡んだ視線。
二人して少し照れた。
前髪を弄る幸谷君。
視線を舌に向ける私。
「明日はさ、単車…で送る。」
「…え?」
単車…?
キョトンとした私に幸谷君が言葉を繋いだ。
「学校帰り、俺ん家、寄ってもええ?
そんで単車で送るから。」
小さな駅の改札傍。
手を繋いだまま、言葉を交わす私たちは、きっと、恋人同士…。
「単車…乗れるの?」
「16になってすぐ免許取った。
俺、2月生まれやから、ホンマはまだ、二ケツしたらあかんねんけど。」
「じゃあ、ダメだよ…」
「お前乗せる時は、めっちゃ安全運転するし。
それに、俺、単車歴、長いんやで?
かれこれ、2年以上は乗ってるし。」
それって…
ダメでしょ…(-_-;)