友達と一緒にお菓子を作るなんてワクワクしちゃう。

楽しいね。

優しいね。






「クッキーの作り方教えて貰うん、愛子の家でもええ?
ウチ、愛子の家、行きたいな。」





沙穂ちゃんの言葉に、私は、「いいよ。来て来て。」と、聞くと、「やったぁ。
楽しみ~。愛子の家って、なんか可愛いっぽいよなぁ。」なんて楽しそうに笑う沙穂ちゃんと、裕子ちゃん、それに莉子ちゃんに、私も笑みが零れる。





「あのね、凄く美味しいハーブティあるんだけど、飲む?

ローズヒップなんだけど…。」





少し遠慮がちに聞いてみると、「凄い、ハーブティなんて初めてやわ。めっちゃ楽しみ増えたし。」なんて、やっぱり優しい言葉が返ってくる。

胸がホワッと暖かくなる。





あんなに違和感を感じた方言も、今は優しく感じる。

すごくすごく、沙穂ちゃんと裕子ちゃん、莉子ちゃんの言葉は暖かくて優しいから。





「なあ、今日は、4人で、寄り道して行かん?
そんで、愛子、今日は一緒に帰ろうよ。
裕子とウチ、部活休みやねん、今日。」





沙穂ちゃんの提案はいつも素敵だ。

裕子ちゃんと莉子ちゃんと4人でなんて、楽しそう。




でも、今日は、いつもと違う放課後。

朝、幸谷くんが言ってたことは、本当なのかな…?

本当に私を迎えに来てくれてるのかな?




冗談だったのかな?

でも、はっきり約束した気がする…。






「なあ、正門に居てるん幸谷先輩と違う?」






窓の外を眺めていた莉子ちゃんが、呟いた。






「「マジで?」」







沙穂ちゃんと裕子ちゃんの声が重なった。