郁君…だ(笑)。
「人の歌パクってんな、クソが」
「怖ぇ(笑)。
愛ちゃん、こんな怖いんええの?」
私の方を眉を下げて大袈裟に肩をすくめた郁君に自然と顔が綻ぶ私。
だって、雅斗くんが怖いとか私、思わないモン。
「ええ加減なことばっかり言うてんちゃうぞ。」
凄む雅斗君の声にやっぱり大袈裟に怯える恰好をしながら私の顔を覗き込んできた郁君が、「愛ちゃんの彼氏、怖いね、あーんな甘~い歌作るくせに」と、呟くから。。。
恥ずかしい…
「愛…、ちょっと、目ぇ閉じてて?」
雅斗君の言葉に?な私だけど、取り敢えず目を閉じてみた。
ゴキッ…
「痛ぇッッー、マジになんなや、暴力反対!」
「うざいことばっか、言うからじゃ。
愛、行くぞ。」
私の掌にある雅斗君の手に力が込められて、少し強引に歩き出した雅斗君に郁君の声が届いた。
「雅ぁ、後で、行くわ。」
それに繋いでない方のを掲げた雅斗君が「おー。」と答えた。
男の子同士って良いな…。
なんだか、郁君と雅斗君の絆の深さを知った気がした。