甘いキスに全部が蕩けそう…
恥ずかしいのに、
やめないで…なんて思う。
チュッ…
小さなリップ音と、名残惜しい感触を残して、雅斗くんの唇が私から離れた。
「…あかんわ…。
これ以上シたら、抑えきれん…わ。」
膝の上に座ったままの私の腰をそっと抱きしめて、「帰ろうっか。」と、囁かれた。
「…雅斗くんのお家へ?」
自然と紡がれる私の言葉。
だって離れたくない…。
「…ん。
俺ん家。」
「ごめんね…、さっき。」
私の手を握りしめた雅斗くんに、勝手に怒って勝手に拗ねたことを謝った。
「…俺も…ごめん。」
大きな手
温かい手。
離したくない。
「あ、俺ん家行く前に、郁のバンド見てく?」
「郁くん?」
「そ。
あいつ、BOφWYのコピーするんやって。」
「BOφWY?」
「愛は知らんかもしれんけど、結構有名なバンドやねん。
取り敢えず、一緒に行く?」