「伴野君も、工祭来てるの?」






「ああ、友達いっぱいおんねん。

中学ん時のな。」






「そうなんだね。」






少し長めの茶色い髪は、雅斗くんより少しダーク。

サラサラの前髪を指先で摘まんだ七原くんが、「探そっか。」と、私を探る。






「うん。」






「よし、行くよ。」







七原君の醸す雰囲気の所為かな?

口数なんてそう多くない七原君なのに、少し饒舌に話してくれてるのは、きっと、優しいから。

それが押しつけがましくなくて、私の男の子に対する苦手意識を払拭してくれる。






「その服、可愛いやん?」






「え、…そうかな?」






「ん、高杉に似合ってんで?」






七原君の言葉が優しい。

きっと、さっき雅斗くんで傷ついた心の所為で余計にそう感じるんだろうけど。






「…あ…、」






急に立ち止った七原くんの背中に顔をぶつけた私は、その鼻頭を擦りながら前を見た。






「…あ、




雅斗く…ん。」