込み上げる涙をグッと堪えて、雅斗君の手を大きく振り払った。
そして、頑張って雅斗君の瞳を見据えて私は「ごめんね、勝手に来たりして。」と、言いきっていた。
はっきりと。
そんな自分の言葉も行動も普段の私からは想像も出来ない。
自分だって驚いてる。
でも、雅斗くんの態度があまりにも連れ無さ過ぎて、感情がセーブ出来なくて…
呆気にとられたように少し口を開いたまま呆然と立ち尽くしてる雅斗君を残して、一気に踵を返した。
恥ずかしいんだ…
私の事…
学校の人に知られるのが嫌なんだ…
最悪…じゃん…。
雅斗くんの学校を見たいって単純に思っただけ。
頑張って服なんて選んで髪も巻いたりなんかした自分が情けないと思うと、さっき我慢した涙がまた込み上げてきた。
あ…、沙穂ちゃん達に帰るって言って無い…
どうしよう…。
正門まで駆けて来てそれに気付いた私は、途方に暮れた。
勝手に帰るなんてダメだよね…。
「あれ、何してんの?」
「あ、七原君…」