「このスカート、可愛いな。
どこで買ったん?」
私のスカートを指差して莉子ちゃんが隣を歩く私に興味深げに聞いてきた。
「どこで買ってくれたんだろ…?
このスカート、夏休みにこっち来たお兄ちゃんから貰ったの。
秋冬の新作なんだって。」
「愛子ってお兄ちゃん居てんの?」
「あれ、言ってなかったっけ…」
「聞いてない、聞いてない。
…愛子のお兄ちゃん、って、絶対カッコいいよね…」
莉子ちゃんの顔が一人百面相で可笑しくって…
「プハッ(笑)。
莉子ちゃん、私のお兄ちゃんって、すんごい年上なんだよ?
9歳離れてんの。
だから、お兄ちゃんて言うより、ね、おじさん…だから、カッコいいなんて範疇じゃないよ。
残念(笑)。」
大袈裟に笑いながら項垂れる恰好をした私に莉子ちゃんは、それでもまだ、真剣に言葉を重ねた。
「9歳…やろ?
ってことは今年25歳やろ?
保健室の山下くんと同じ年やん。
って言うことは、全然…範疇ですよ、妹よ。」
私の肩を両手で掴んだ莉子ちゃんの顔がちょっと…怖い(笑)。
でも…、
そっか、山下先生とお兄ちゃんって同じ年なんだね。
「愛子ちゃん、今度、お兄さまの写真、見せてたもれ。」
お兄さま…?
見せてたもれ?
莉子ちゃん、興味持ち過ぎだから…(笑)。