悲しい。
私の知る世界じゃない…。
でも、この世界には男と女しかいない。
雅斗くんは男で、
私は女…
恋をした。
愛しさを知った。
それは雅斗くんが私とは違う強さや、優しさを知らしてくれたから。
雅斗君の弱さを私に晒してくれるとそれを愛しいと思った。
それはきっと私が女だから…だよ。
好きな
誰よりも大好きな男の人を抱きしめてあげたいと思うのは、きっと私が女だから…。
「雅斗…くんの、嫌いな女…だよ?
あたし…」
膝立ちしてた私の腰を抱えて、雅斗くんの膝の上に座らされた。
突然の事で、バランスを崩した私は咄嗟に雅斗くんの首に腕を回した。
「愛子は、別や…ねん。
一目惚れして、それが俺自身、初めは信じられへんかった。
スキとかアイとかって俺、わからへんかたから。
女なんか、どーでもええって思っとった。
でも、お前の事見る度に、ココ、熱くなんねん…。
傍に居て欲しいって、心の底から思い始めたら止まらんかったんよ、好きやって気持ち。」
私を片手で抱えたまま、自分の胸を指差した雅斗くんが凄く優しい笑みを浮かべた。
「ばあちゃんと…、愛だけ…や。」
眉尻を下げた笑顔が可愛い雅斗くん。
こんな無邪気な優しい笑顔、大事にしたい…よ。
「クス(笑)。
あたし、おばあちゃんと、一緒なんだ?」