「女…なんか大嫌いやった…」






「…うん。」






「親父の連れて来る女、全部、嫌いやった。」






「……うん。」







「腕の火傷の痕な、根性焼きや。

俺の目つきが気に入らんって、親父の女やったヤツが、親父の居らん時煙草、押しつけて来た跡や。

痛いし、熱いし、いっぱい泣いた。

でも、親父も誰も気付かへんから、何べんもされた。

あんな香水臭いオバハン、嫌いや。




なんで、あんなん家におんねんって思ったんよ。




キモイ声でアンアン言うて親父に裸で乗っかって、や?

俺居んの知ってんのに、

俺、見てんのに、あのオバハン、と親父、ヤってんの。




子供やったけど、めっちゃガキやったけど、俺、最悪や、思った。

いっぱいな?

ゲロしても、あかんねん。

気持ち悪て、たまらんかった。





女って生き物がキモイ思た…」







私は、雅斗くんの生い立ちに憂いだ。

でも、






「雅斗…く…ん?」







私の声に私の胸に顔を埋めたままの雅斗君が顔を上げて視線が絡んだ。






「あたし…も、女…だよ?」