どこまでも私を翻弄してしまう雅斗くんは、私よりずっと大人。
自分の幼さと、回らない思考に心の中、溜息を吐いた。
「ごちそーさん。
めっちゃ美味かったわー。」
ゴロンッとまさしく大の字に寝転んだ雅斗くんに、笑みが零れる。
「食べてすぐに寝たら、牛になるんだよ?」
食器を片しながらクスクス笑う私に雅斗くんがチラッと薄ら瞳を開いて口角を上げた。
「片づけんの後でええから、ちょっと、こっち来いや。」
優しい声色。
有無を言わさない言葉の強さ。
カチャッ…
重ねた食器をそのままに雅斗くんが寝ころんでる傍に座る。
キュッ…
膝の上に置いた私の手に雅斗くんの手が重なった。