「マジ、美味ッ。」





一口が大きい雅斗くんはお茶碗のご飯をあっと言う間に食べてしまう。

お箸で切り分けたハンバーグが大きいから口元にソースが付いてて。

口元にソースを付けたまま美味しそうに食べてくれる顔は、あまりに可愛くて「ソース付いてるよ。」と無意識に手を伸ばしてしまった。

伸ばしかけた途中、自分の取った行動に恥ずかしくなって手をひっこめた私に、雅斗君が、顎を少し私の方へ付きだした。






「なんか、俺、付いてんの?

取ってよ。」







んッって顔を私に差し出すから、私はおずおずと手を伸ばして、指先で雅斗くんの口元に付いたソースを拭った。

その私の腕を掴んだ雅斗くんが、ソースの付いた私の人差し指をパクッと口に含んだ。







「///ッや…。」







「お前のハンバーグも食ってもいい?」







バクバク大きく鼓動が煩い。

なのに、雅斗くんは、悪戯に片眉を上げただけで、冷静…。







「どうぞ。」






恥ずかしいのと

私だけドキドキしてる理不尽さに、言葉がつっけんどんになってしまう。







「じゃ、貰うで?」






普通に私のお皿の上のハンバーグをお箸に突き挿して自分のお皿に移した雅斗くんは、また、大きな口を開けて食べ始めた。