シャンプーの爽やかな匂い。
白いTシャツに、ジーンズはベルトも通さないままで、腰履き。
雅斗君側の半身が緊張で熱い。
バサバサと首に掛ったタオルで無造作に髪を拭く仕草すらカッコ良くて心臓が口から飛び出ちゃいそう…。
「もうすぐ出来んの?」
私のこんな想いなんて知らない雅斗くんは、フライパンの上に置いた蓋をパッと開けた。
立ち込める蒸気。
ジューシーな感じで見た目上出来なハンバーグ。
「美味そッ。」
「ソース作ったら、出来あがるから、テレビでも見て待っててくれる?」
精一杯、平静を装って雅斗くんに言葉を向ける私。
「ん、わかった。」
私の頭をポンっと撫でて雅斗くんがキッチンを離れた。
気付かれないように深呼吸…。
いつまでも慣れない雅斗くんのカッコ良さに、私の心臓はいくつあっても足りないやと、心底思った。