ドキドキする胸の鼓動。
足首に少し感じる少し冷ややかな海水。
ギュッ…
「勝手に先に行くなや…」
胸の上に見えるビーズで出来たブレスレット…
「…ビーズの、これ、アンクレットとお揃い?」
巻き付いた腕に私は自分の腕を重ねた。
そして、手首で揺れてるブレスレットをそっと触った。
「お揃いっていうか、余ったんで足のンは作っただけ。」
「え?
自分で作ったの?」
器用だ…。
「ああ、郁と作った。」
「そうなんだ。
…可愛いね?」
私の首に巻きついていた幸谷君の腕が解かれて、手を繋がれた。
そして、指を絡められた。
「あっちの岩場へ行こう。」
「岩場?」
「ん。すげぇ海見渡るんよ。
絶対おまえ気に入ると思う。」