駅に着いて、改札口へ向かう。


改札近くで屯してる学生服の集団。

最近、電車で通学するとき、目に付く集団に、小さくため息を吐いた。


ちょっと怖かった。

身近で年齢の近い男の子って、高校に入学するまで、お兄ちゃんくらいしかいなかった私。

まだ、慣れない…。

高校には、たくさん男子生徒居るのに、まだ、教室でも話しかけられるだけで身構える。

それに、この集団は、私には、ハードルが高過ぎる。

お兄ちゃんとは、毛色の違う…だらしない雰囲気に息を飲んだ。

ただ、怖いしかなくて、俯いたまま、階段を下りた。





近づくと聞こえる騒がしい声。

この街の話し方もまだ慣れていない私には、とてつもなく恐怖心を煽られるもので。

きつく感じる方言。

低い声。

全部が、怖い。






「昨日、雅ぁ、お前、勝ち過ぎやろ?
俺、今日から、昼飯代無いんやで…。」






「(笑)ダイエットになってええやんけ?
作次、最近腹周りポチャッてるやん?
ってか、なにがぁ勝ち過ぎなん?
ビリヤード?」





「あー、郁也、お前おらんかったからなぁ。
昨日夜、俺ん家で、麻雀やったんよ。

雅斗、バカツキで、一人勝ちや。」





「ふーん。
充ん家で、麻雀かぁ。
俺も行きゃあ良かったなぁ。

でも、まあ、雅ぁ、いっつも強いやん?」





「でも、昨日は、ヤバかった。
ホンマ、雅斗の一人勝ちやんな?
あんなとこで、国士はとどめやったわ。
どんなけ、ついてんねんって感じや。
白、ツモってくるか、あそこで。」





「…国士って(笑)。

雅斗やしね?
仕方ない。」






「そ、仕方ない(笑)。」






「っちゅうか、郁也、お前は、また女かいな?」






「まあな。
女が俺の事、離さへんねんもん。」






「ムカつくっちゅうねん。
お前と、雅ぁばっかり女寄って来るん理不尽や。

気持ちええ思いばっかしやがって。」






「…俺、別にシてへん。」