それから一ヶ月してから飛鳥と雅也は別れた。


僕に告げられたのは夏祭りの日だった。


『あ、そういえば』

まるで“昨日、友達と遊んだ”と言うような軽い口調だった。


『昨日、雅也にフラレた』


僕がどんな顔していたのか分からないけど飛鳥は僕を苦笑する。



『べつに気にしてないよ。

だから雅也にその事に関しては何も言わないでよ』


彼女はそう笑って、

僕に自分の荷物を渡し女友達の所へ走っていく。


僕はずっとそこに立ち尽くしていた。



飛鳥が無理して周りの人間に笑顔を振り撒いている。


そう思いたかった。