半年が過ぎ

飛鳥の泣き顔を見るのが増えた。


『光太…』


なんのためらいもなく飛鳥は僕に抱きついてくる。



『雅也がメール返してくれないし

全然逢ってくれない』


僕の胸の中で泣きじゃくる。


卑怯だ。


飛鳥は昔から卑怯なんだ。


僕にしか泣き顔を見せないくせに

飛鳥はいつも僕以外の人を選ぶ。



恋愛経験が少ない僕は

下手に声をかけるのではなく

優しく飛鳥の頭を撫でた。




『雅也には何も言わないでよ』


泣き止んだ飛鳥はそう言った。


『わかった』

僕はうなずく。

そうだよね。

これは二人の問題。


僕は関係ないんだよね。