「琢斗のことだから、一人で考え事してるんじゃないかなぁって思ったの。」
「でも、一人でいたかったかな…」
持田は俺から少し離れたところで、遠慮がちに言う。
「いいよ、気遣わなくて。」
俺のその言葉を聞いて、持田はホッとしたように俺の隣まで歩いてくる。
こうして俺と並ぶと、こんなにこいつはちっちゃかったんだな。
こんな小さな身体で、水の入った重いタンクや洗濯物を抱えて走ってたんだ…
今更ながら、そのことに俺は気づかされた。
「もう、ここともお別れなんだね…寂しいなぁ。」
俺が思っていたことと同じことを
持田が呟く。
「楽しかったな。」
「頑張ってるみんなを見るのが、私は大好きだったから…」
どこか寂しそうに遠くを見つめる持田。
その視線の先には、仲間たちと過ごした日々が鮮明に浮かんでいるのだろうか。