『ご、ごめん。帰るね!』


「あ、うん。」






え、送ってくんないの?
本気で?
だって、暗いよ…?
真っ暗だよ?!



そう心の中で嘆きながら携帯を開くと、奏からの着信が20件も来ていた。

内心、奏の助けを借りたかったけど、探させたうえに迎えに来させるなんて、とてもじゃないけど、できなかった。



携帯とカバンを抱き締めながら、とぼとぼと歩いていると、なんだか涙が溢れてきた。


暗闇…怖すぎ!!




涙を流さないように歯をくいしばりながらも歩いていくと、後ろから走ってくる音が聞こえてきた。